ニコラス・ケイジが演じる一家のパパがめっちゃ強い、なんてことにはならないのがこの映画『天使のくれた時間』。
普段とは違うニコラス・ケイジが見られる、愛の重要性について描いたファンタジー映画です。
シンプルに面白いと思うこの映画ですが、しばしば謎なシーンが差し込まれてますよね。
謎の黒人青年のあの台詞や、ニコラスの娘役・アニーが鳴らしたあのベルの意味などなど。
今回はそんな謎多き『天使のくれた時間』を徹底考察していきます。
『天使のくれた時間』ベルの意味とキャッシュの正体を考察
『天使のくれた時間』は、謎の黒人青年キャッシュの正体やキャッシュが渡したベルの意味など、劇中で説明されない点がいくつも存在するんですよね。
ここからは映画で紹介されなかった
- キャッシュの正体は?
- ベルの意味とは?
- エンディング後はどうなったのか?
について考察していきます。
キャッシュの正体とは
キャッシュの正体、それはズバリ……”ドン・チードル”ですね。
あ、日焼けした大泉洋さんじゃないです。彼はいろいろなところに登場します。オーシャンズシリーズやアイアンマン2から……
もういいわ!!結局キャッシュは何者なの!?
ついドン・チードル愛が出てしまいましたね。
キャッシュの正体は間違いなく天使ですね。
キャッシュはセリフにも「天国でも上の階級だね」や、お釣りをあえて多く渡し「ガッカリだ」と言いながらメモを取る仕草があるので。
もちろん他にも理由がありますよ。それはアニーが鳴らしたベルと密接に関係してきます。
アニーが鳴らしたベルの意味とは
アニーはニコラス演じる主人公のジャックが、”きらめき”の中で出会った自分の娘です。
”きらめき”とは天使であるキャッシュが作り出した世界であるため、彼を呼ぶアイテムが必要になります。
そしてこの作品には、元になった原作があるのですよ。
天使の翼は、天界と地上を繋ぐものとされています。
キャッシュは「アニーのベルの音によって神様から翼をもらい地上に降り、ジャックの前に現れた」と考察できます。
ただ、ジャックだって序盤にベルをジャンジャカ鳴らしてキャッシュを呼ぼうとしていましたよね。
ジャックにはキャッシュを呼ぶことはできなかったのでしょう。
神様だって全てのベルの音で天使の翼を授けていたら、天使は翼もらい放題ですから。
誰かを思い、感謝や祈りのこもったベルの音だけが天使が翼をもらえるのでしょう。
エンディング後はどうなったのか?
本作のエンディングはジャックがケイトをパリに飛び立つ寸前のケイトを空港で呼び止め、空港のラウンジでコーヒーを飲んでる場面で終了しますね。
この後はケイトとの関係を修復し、エンディング後は幸せに暮らしていくのだと思います。
理由は空港の窓から雪が降っているのが確認できるからです。
冬なんだから雪くらい降るんじゃないの?
本作では雪が降っているシーンの後には、必ずジャックの運命が変化しているんですよ。
本作における雪はいわゆる、”舞台幕”のような役割があるのではないかと考察できます。
暗転幕
引用元:Wikipedia
なお、舞台芸術における場面区分の単位も幕といい、区分の「粗→細」の順に「部>幕>場」と称する。文楽や歌舞伎の「段」に相当する。それから更に転じて物事の段階を表現する語としても多く用いられる(「開幕」「幕が上がる」「幕を切って落とす」「幕開け」「序幕」「終幕」「閉幕」「幕を下ろす」「幕を引く」「幕切れ」等)。
本作では常に雪は積もっていますが、雪が降るシーンは以下の3つだけです。
- ジャックがキャッシュと出会った夜のシーン→”きらめき”の世界に入る
- ジャックが犬の散歩に出た夜→その夜にキャッシュと出会い”きらめき”が終わる
- ケイトと空港のラウンジでコーヒーを飲むシーン→この先は描かれてない
これはもう製作側が意図的にやってますよね。
ネットでは「全てうまくいきすぎ」なんて声もありますが、私はジャックはケイトと結ばれたのではないかと考えています。
だって本作は、夢を見させてくれるファンタジー映画ですよ。
『天使のくれた時間』あらすじと作品情報
本作を見たことがない方や、見たけど記憶が薄いの方のために、あらすじと作品情報を紹介していきます。
あらすじ
ウォール街の大手投資会社の社長のキャッシュはクリスマスに大きな仕事を控え、クリスマス・イヴにも関わらず会社の幹部を集め会議をしていた。
会社からの帰りにコンビニでエッグノッグを買って帰ろうとした時、黒人青年のキャッシュと店員がトラブルを起こしてるのを目撃するも、ジャックの起点の効いた言葉でその場を収める。
ジャックはキャッシュとコンビニを後にし、話の流れでジャックが「何が必要だ?」と質問するとキャッシュは「あんたは?」と聞き返した。
「全部ある」と答えたジャックに対し「面白くなるぞ。これから起きることはあんたが招いたことだ。メリー・クリスマス」とキャッシュは言い、立ち去る。
ジャックはその後、家に戻りベッドで眠りについた。目が覚めると今までの生活とは全く違う風景が広がっているのだった。
作品情報と予告映像
タイトル | 天使のくれた時間(原題:The Family Man) |
公開年 | 2000年 |
上映時間 | 125分 |
監督 | ブレット・ラトナー |
脚本 | デヴィッド・ダイアモンド デヴィッド・ウェイスマン |
出演 | ニコラス・ケイジ ティア・レオーニ |
制作国 | アメリカ |
視聴できる動画配信サービス一覧
本作を視聴できる動画配信サービスを調査して一覧にまとめたので参考にしてみてください。
タイトル | U-NEXT | Amazonプライム・ビデオ | Hulu | Netflix |
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天使のくれた時間 | ||||
素晴らしき哉、人生!(原作) |
詳しい配信状況は各公式サイトからご覧ください。
『天使のくれた時間』の感想をズバズバ書いていく!
本作はぶっちゃけ面白いです。しかも奥が深い。
ニコラス・ケイジがいい味を出してるんですよね〜。
ここからは3つに分けて私の感想を書いていこうと思います。
- 雪が降るタイミング
- フェラーリの描き方
- 原作映画との違い
雪が降るタイミングに注目
考察でも記載しましたが、本作で雪が降っているのは3回だけです。
- キャッシュと出会った時
- きらめきの最後の晩(犬の散歩時)
- 空港でケイトとコーヒーを飲んでいる時
”きらめき”入る時と終わる時に、雪で舞台幕のように表現しているのは秀逸だな〜と思いました。
最後に雪が降っているのを観るとここからジャックの未来は大きく変わっていくんだろうな、と思うとジーンとしますよね。
ただケイトとジャックが結婚したとしても、かわいいアニーが生まれてくるとは限らないのはすこし悲しいですね。
それでもさりげない雪にこんなことが隠されているんじゃないか、と考えながら見ることができるのも面白いです。
フェラーリの描き方に注目
ジャックの愛車の描き方にも注目してみましょう。
冒頭にジャックが車を止めて鍵を渡すシーンがありますが、その時は車のドアを優しく閉めています。
高級車のドアを乱暴に閉めることはしないですよね。
しかし終盤、きらめきで見た家に行ったシーンや空港に着いたシーンでは、車に関心がないかのようにバンっと強く閉めます。
ジャックが”きらめき”を見る前と見た後では、高級車の扱いが違うのでそこも見どころですね。
原作映画との違いに注目
本作は1946年に公開された『素晴らしき哉、人生!』をベースに作られた物語ですが、原作映画との違いも見どころの一つです。
まず本作は別の人生の時間が長めですが、ジャックの生い立ちなどはほとんど描写されていません。反対に原作では主人公のジョージの子供時代から大人までをしっかり描いています。
主人公の立場も違い、ジャックはお金持ちでそれなりに人生を謳歌しているのに対し、ジョージは金銭的に余裕があるとは言えないも家族とそれなりの暮らしをしています。
ジャックは「人を愛する大切さ」ジョージは「周りから受けている愛の大切さ」に気づくぞ!
『天使のくれた時間』名言・名セリフ4選
『天使のくれた時間』ではいくつもの名言や名セリフがあります。
その中でも特に響いた言葉をまとめたのでご覧ください。
ジャックの名セリフ「ビジネスに大小は関係ない。」
ビジネスに大小は関係ない。みんな子供のために必死で学費を稼いでるんだ。それが人間さ、僕には人間がわかる。
本作屈指のかっこいい場面ですね。開始87分頃にジャックがアランとピーターに向かって言ったセリフです。
仕事の大小や給料の高い低いに関わらず、みんな必死で働いていますよね。
はたらく全ての人に勇気をくれる名台詞ですね。
ケイトの名セリフ「愛してる。住所よりずっと大切なことだもの。」
愛してる。住所よりずっと大切なことだもの。あなたを選ぶわ。
開始95分ごろにケイトがジャックに言ったセリフです。ジャックが本当の意味で大切なものに気が付く言葉ですね。
「住所より大切なことだもの」という言葉のチョイスが素晴らしいですよね。
ストレートに愛を伝えるセリフがグッとくる名台詞でした。
キャッシュの名言「”きらめき”は一瞬だ。永久には続かない」
”きらめき”は一瞬だ。永久には続かない。
開始99分ごろにキャッシュがジャックに言った一言です。
本作の締めくくりを代表するような言葉ですが、現実の世界にも言い表せる名言だと感じます。
楽しいことも辛いことも起こりますが、それは一瞬のうちに通り過ぎていくものです。
それを忘れないように、心に留めておくのが大切だと言われている気がしました。
ジャックの名セリフ「僕を忘れないでくれ。〜中略〜そうしないと全てが幻になってしまうから」
僕を忘れないでくれ。この一瞬、僕がどんなだったかを。そのイメージを心にしまって、決して忘れないでくれ。約束してくれ。そうしないと全てが幻になってしまうから。
開始102分ごろにケイトと2人になったジャックが言ったセリフです。
”きらめき”の世界から目が醒めてしまうと悟ったジャックは、ケイトに「忘れないと約束してくれ」と言います。
ケイトに言っているはずの言葉ですが、なんだかジャックは自分自身に「忘れないように」と話しているようにも聞こえます。
この後ジャックは眠らないように椅子に腰掛けていますが、その時の心情はなんとも切ないものだったのではないでしょうか。
まとめ
今回は『天使のくれた時間』の見どころや考察をしてきました。
謎の青年キャッシュの正体は天使だと僕は思いますが、あなたはどう思うでしょうか?
映画に明確な答えはなく、発想を広げられるのも面白いポイントです。
見たことがある人はもう一度見返して、また見たことがない方は一度鑑賞してみて自分なりの考察をしてみてくださいね。
『天使のくれた時間』を見られる動画配信サービスを調査してみたので参考にしてみてください。
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